こんにちは。
【目次】
1.ここ30年間の大学の変化
2.大綱化の意味
3.新自由主義の一環としての大学行政
4.今までの投稿一覧
1.ここ30年間の大学の変化
「note」という表現型ブログを最近興味深く読んでいます。
そのnoteに、『私が一橋大学の教員を辞めた理由〜国立大に翻弄された苦しい日々』と題する生々しいブログが引用されていました。
河野真太郎さんとおっしゃる方のブログです。
まずは、河野氏がまとめた年表です。
1991年 大学設置基準の大綱化
1996年 東京大学教養学部再編・大学院重点化
一橋大学大学院言語社会研究科発足(学部化はされず)
2004年 国立大学の法人化(国立大学法人法)
2015年 国立大学法人法改正(「ガバナンス」の強調、教授会の議決権剥奪)
2015年6月 文部科学大臣通知「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」(文系取り潰し?)
最後に「(文系取り潰し)」という言葉がありますね。
解体工事は、古い建物を取り潰して土地に新しい価値を生む作業です。
→https://www.eiki-kk.com/
2.大綱化の意味
1991年の「大学設置基準の大綱化」から大学の変革が始まりました。
この「大綱化」ですが、「大綱」の意味は、goo辞書では、
1.ある事柄の根本となるもの。大本 (おおもと) 。「条約の大綱を定める」
2.大きづかみにとらえた内容。大要。「事業の大綱を示す」
ところが、河野氏のブログによりますと、「規制緩和」のことだったのですね。
当面の出発点となったのは1991年の「大綱化」である。大綱化とは聞き慣れない言葉であろう。私も、どう説明すべきかと思い、英語にはどう訳せるのか調べたことがある。すると、大学評価・学位授与機構の英文資料では、なんのことはない、deregulationと訳されているのである。つまり、規制緩和である。
3.新自由主義の一環としての大学行政
確かに、ここ30年間の大学行政の変化を「新自由主義」という概念で見直せば、一本の筋が見えてきます。
「新自由主義」で導入されたのが、競争資金導入、理事長学長によるトップダウン強化、教職員の非正規化。
教職員のやる気が高まり、研究の中長期成果がなされ、ひいては学生の学ぶ意欲が伸びるならば、この変化を検証する意義がありますが、すべてが低下という結果を生んでいます。
文部行政の失敗としか言いようがありません。
引用元
私が一橋大学の教員を辞めた理由〜国立大に翻弄された苦しい日々(河野 真太郎。2019年6月9日)
note「文系お取り潰し。、2015年6月の文部科学大臣通知「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」(さくらと島。1919年10月30日)
4.今までの投稿一覧